縁もゆかりもない人が黒川温泉に行きたくなる魔法。 #ジモコロ熊本復興ツアーへ行きませんでした

去る7月2日、一泊二日で熊本県は黒川温泉に100人規模のクリエイターが泊まって観光しようというイベントがありました。

kurokawawonderland.jp

2016年4月14日に発生した「熊本地震」。震災の爪跡は直接的な被害だけにとどまらず、風評被害として観光地に大きなダメージを与えています。南小国町にある「黒川温泉」もそのひとつ。震災直後からのキャンセルは41,736人。推定被害額は10億円を超えるそうです。

「少しでも熊本に協力できることを考えたい」

そこで生まれたのが黒川温泉にライター、編集者、クリエイターなどを100人集めて、「自腹でお金を落として」「100人が一斉に情報発信する」というシンプルなプロジェクトです。自分ひとりができることを形にする。その力が100人集まったらどうなるのか? 1泊2日の短い時間で生まれた「熱量」をお楽しみください。(サイトより引用)

 

すでに本イベントの記事はいたるところで公開されています(詳細は上記サイトを参照ください)。僕の周りの小さなコミュニティレベルなんでしょうけど、局所的なゲリラ豪雨級の盛り上がりを見せていて、編集後記的なエモブログも一通り出尽くした感あるし、いよいよ蛇足感が増してきたので何を書いたらよいのやらという状況に追い込まれています。それでも、悔しさと羨ましさと心苦しさを携え、勇気を振り絞って書いてみます。

 

みんなが熊本ツアーを楽しんでいたあの日、そこに私はいませんでした。 
なぜか。6月に前十字靭帯が断裂したからです。

 

私は熊本へ行きたかった。

6月早々にLCCの早割り往復チケットを2万円で購入し、「そうそう、僕も小学校2年生の時に阪神大震災で小学校に避難したなぁ。熊本も今大変かなぁ」「あー、そういえば嫁の親戚が大分の竹田市で割と阿蘇近いんだよなぁ。おじちゃんは大丈夫って言ってたなぁ」「別府・由布院は行ったことあるけど黒川温泉ははじめてやなぁ」「100人も来たら僕わりと人見知りしちゃうから新しい友だちはできて1人かなぁ」とか、いろんなことを考えながらその日を待っていました。それほどに、私は熊本に行きたかった。

例えばですよ、「今一番行きたい場所はどこ?」って聞かれたら、多分「黒川温泉」って答えます。

友だちから「今週末どっか行けへん?」って聞かれたら、「黒川温泉はどうかね」と提案するでしょう。

会社の同僚に「この後ランチどう?」って誘われても、うっかり「黒川温泉で?」って言っちゃいそうな勢いです。

もう一度言いますが、私は今回の旅で黒川温泉には行きませんでした。それでも、黒川温泉が今一番アツいということを周りに流布して回るでしょう。

なぜか。とりあえず写真を見てみてください。

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めちゃくちゃきれいやん!

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美味しそうな匂いさすやん!!

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なんか楽しそうやん!!!

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いい顔してるやん…!!!!

#ジモコロ熊本復興ツアー のハッシュタグを追いかけて行くと、こんな写真がずらりと並んでいるんですよ。行けなかった人間に対して、#ジモコロ熊本復興ツアーハッシュタグは罪です。シャネルの5番よりも誘惑が強いです。なんやったら、もう僕も熊本にいたんじゃないかと錯覚してきました。まぁ、行ってないんですけど。

僕少し思いました。こんなステキな写真がずらりと並んでいると、行ってた人たちを知らなくても黒川温泉好きになるんじゃないかなって。大金をはたいてネットをざわつかせる広告を打って「バズって良かったですね」となるよりも、はるかに価値があるんじゃないかって。何というか、表情で「みんないい旅してるな」「いい風景、美味しいご飯、ステキな人がそこにいるんだな」っていうのが伝わります。

リアルタイムに流れてくる #ジモコロ熊本復興ツアー の写真見てたら、「なんか黒川温泉盛り上がってる」ってなるし、その後行ってきた人たちがそれぞれの思いを乗せて書いた記事がいろんなメディアで出ると、何気なく点在していた写真にもストーリーができちゃうし。このツアーにかかわっている人たちが僕の好きな人たちなので、どこまでいっても客観視は難しいのですが、それを差し引いても、魅力的じゃないかと本気で思います。参加しているみなさんも、おもてなしをしている現地のみなさんも、みんな本気で取り組んでいるのが素晴らしいですね。

かくして黒川温泉は、僕が今行きたい場所No.1に君臨しているのでした。

僕も年末年始、どこかで黒川温泉に遊びに行こうと思います。最後に、もしこのブログを見て少しでも熊本、黒川温泉に興味を持った方がいらっしゃったら、今年の国内旅行地にぜひ黒川温泉を視野に入れてご検討ください。1人でも行っていただけたのならば、ツアーに参加していない僕でも少しは貢献できたのかなと思えそうです。

間接的にではありますが、黒川温泉とできた不思議な縁が続くこと。そして、被災された熊本大分エリアの観光地に観光客が途切れることのないよう、陰ながら願っています。

切れるのは僕の靭帯だけで十分です。